今回の記事ではファンダメンタルズの基礎用語についてお話しします。
1.ゴトー日
貿易企業の銀行の資金決済が集中する
毎月5日・10日・15日・20日・25日・30日
は為替において変動率が高くなる傾向があります。
祝日や休日がゴトー日の場合、
その最終平日がゴトー日になります。
東京時間の仲値(9:55)の時間にかけて取引が活発に行われ、ドル円を中心に短期的なトレンドができやすいという傾向があります。
02.仲値
仲値とは、金融機関が外国為替取引をする際の基準となるレートのことです。
金融機関が毎朝9時55分の為替レートを参考にして決定します。
海外旅行に行く際に、日本を外貨に両替するときのレートと、外貨を日本円に戻すときのレートに差開きがありますが、そのちょうど中間に位置するのが仲値です。
03.ロンドンフィックス
東京時間の仲値(9:55)に相当する時間で、「ロンドンフィックス」と呼ばれる時間帯があります。これは、その日の対顧客向けの基準レートを決める時間で、
夏時間は日本時間午前0時、冬時間は日本時間午前1時
がロンドンフィックスとなります。
この時間の為替レートがその日の両替のレートや企業との取引レートとなるため、様々な思惑が動き値動きが激しい時間帯となります。
月末の値動きは企業や大口が様々な思惑で決済を起こすケースが多いため、特に値動きが激しくなってきます。
4.要人発言(日本編)
要人発言は、主に大統領や首相・中央銀行の総裁や議員などの発言でこれらは投資家たちから非常に注目されており、社会に重大な影響が及ぶ立場についています。
中央銀行は、国家や特定の地域の金融機構の中核となる機関です。
日本銀行は、日本銀行法に基づく財務相所管の認可法人で日本の中央銀行です。
日本銀行総裁黒田東彦は、物価安定のために金融政策の決定・実行などを行っている為、黒田総裁の発言はJPY(日本円)が敏感に反応しやすい傾向です。
05.金融引き締め・利上げ・利下げ
金融引き締め
主に中央銀行が政策金利を上昇(利上げ)させたりテーパリングバランスシート(BS)縮小を行うことです。これらは量的緩和を縮小させ、景気の加熱や物価の急騰が経済に悪影響を与えると判断した場合、金利の誘導目標引き上げなどで景気の加熱を緩和させます。
利上げ・利下げ
景気の加熱を押させるために行う金融政策を利上げ、景気悪化を防ぐために行う禁輸政策を利下げといいます。
米国では、1回の利上げ(利下げ)はほとんどの場合0.25%で金利が変更されます。また、次の利上げ(利下げ)を行うタイミングは毎月発表される経済指標など良し悪しにより変わります。
06.テーパリング・BS縮小
中央銀行が超金融緩和状態から抜け出す過程で採用する出口戦略の一つで、量的緩和による資産買い入れ額を徐々に減らしていくとです。
・テーパリング
量的緩和の額を0にすることを目指す。
・BS(バランスシート)縮小
量的緩和の額からマイナスまで縮小させること。
07.金融緩和
金融緩和とは中央銀行が景気浮揚を促すために
実施する金融政策を指します。
中央銀行が景気悪化の局面で
政策金利を引き下げたり→「利下げ」
資金供給量を増やしたりすることによって
投資や消費などの経済活動を活発化させます。
なお、市場金利が0%近くまで低下し政策金利の引き下げが
難しい場合には、マイナス金利や量的緩和などの方法が
取られることもあります。
具体的に資金供給量を増やすためには、債券購入などが
行なわれており、債券購入をすることによって
経済へ資金供給量が多くなり、景気を活性化させるのが狙いです。
08.中央銀行
中央銀行は、国家や特定の地域の金融機構の中核となる機関です。
その他の地域で通貨として利用される銀行券(紙幣、貨幣)を発行する
発行銀行であり、通貨の価値の安定を図る金融政策を図るため「通貨の番人」とも呼ばれまます。
市中銀行に対しては預金を受け入れるとともに
最後の貸し手として資金を貸し出す「銀行の銀行」であり、国の預金を
受け入れることで政府の資金を管理する
「政府の銀行」という立場を持ちます。
世界の主要中央銀行 | |
日本 | BOJ(日本銀行) |
アメリカ | FRB(連邦準備理事会) |
ユーロ圏 | ECB(欧州) |
イギリス | BOE(イングランド銀行) |
オーストラリア | RBA(オーストラリア準備銀行) |
カナダ | BOC(カナダ銀行) |
09.円安・円高
チャートは常に上昇・下降を繰り返し値動きは止まりません。
それは各国の良いニュース・悪いニュースが飛び交い、
通貨の価値が常に変動しているからです。
しかし通貨の価値がある程度一定水準でいられるのは、中央銀行の政策のおかげなのです。
10.VIX
VIX指数は「恐怖指数」とも呼ばれており
VIXが高くなればリスクオフ相場・低くなればリスクオン相場と呼ばれています。
VIXとは「Volatility Index」の略で、S&P500種指数のオプション取引の
値動きをもとに算出されているものです。
数値が高いほど投資家が先行きに対して不安を感じていることを示し
安全通貨である円やスイスフランが買われる傾向にあるとされています。