高金利通貨として人気の高いメキシコペソ。スワップポイント(以下スワポ)狙いとしては当研究所の一押し通貨となっています。でも勘違いしないで下さいよ。安全で簡単な通貨だからって訳ではないですからね。

大人しくて安定している印象が強いメキシコペソですが実はかなりのじゃじゃ馬娘だって知ってました?扱い方を間違えると大火傷しちゃいます。酷いと落馬して死にますよ、冗談抜きで。

そんなじゃじゃ馬娘のペソさんと上手に付き合っていく方法を解説しているブログは結構あります。ただ僕が言うのもなんですが有益なブログに混じって『これって本当?本気で言ってるの?』ってのもあります。明らかに戦略が間違っていたり戦術が稚拙なものが。そんな人は大概自分ではトレードしていないかトレード歴が浅かったり本気でトレードしていなかったりします。想像で書いてるだけ。だから物凄く質が悪い。もちろん当研究所はペソ円を1年以上トレードしていて利益も出しています(エッヘン。2019年1月3日のフラシュクラッシュも、トランプの関税砲の時も生き延びていますし逆にこれ幸いと買いまして大きく利益を上げています。少なくとも本気でトレードしてる人の記事以外信用しちゃ駄目だよね。

本記事では当研究所が考えるペソさんとの付き合い方を紹介しようと思いますが、これはあくまでも当研究所が考えるよい付き合い方であって、実際の運用にはもちろんご自身の投資スタイルを優先させてください。

メキシコペソの特徴

メキシコペソ円を米ドル円やユーロ円と比べた時の大きな違いを上げてみます。

スワポが高い

高金利通貨と言われるようにスワポが高いです。このスワポの高さからチャート分析できなくても買って持っておけば儲かりそうって事で人気になっています。いやいや、そんな甘いものではないんだけど(苦笑。チャートは読めなくてもいいけど(読めた方が圧倒的にいいんだけどね)基礎知識は持ってないとね。

大体スワポが高いのには理由がありますが知ってますか?インフレ率が高いのです。インフレ率が高く通貨価値が棄損していくので政策金利を高く設定して通貨防衛をしているのです。通貨下落して為替差損が発生するけどそれより利子をちょっと多めにつけるからペソ買ってねってこと。

インフレ率が高いので時間が経てば経つほど貨幣価値は下がっていきます。日々上下に振れるので意識されにくいですが長期的に見れば下がるのが当たり前。つまり長く持てば持つほど為替差損が発生しやすいのです。ただ上手く付き合うと中期でもガッツリ為替差益は取れます(逆も然りで、高値で仕込むとスワポで補えないくらいガッツリ為替差損を喰らいます)

そして今のレートとスワポだと年利何%になるとか為替差損を無視して単純なバラ色の試算は絶対しない方がいい。それは全く意味がないからね。逆にそんな夢物語は損切りする時の邪魔にしかならないから。

ボラタリティーが高い

メキシコペソはボラタリティーが高く強制ロスカットされやすい非常に危険な通貨です。『殺人通貨』の異名を持つ英ポンド円よりもペソ円の方がボラタリティーが高く殺されやすいんですよ。『安定』とか『穏やか』に見えるかもしれませんがその対極にあるような情熱的で危険な香りのするラテン系女子なんです。

この辺の話は過去記事『通貨の危険性と割安度(2019年7月)』にまとめているので参考にして下さい。

スプレッドが広い

スプレッドはどの通貨ペアでも『pips』で表記されます。ペソ円の場合セントラル短資FXのスプレッドは『0.3pips』で、これはユーロ円より安くドル円と同じ。なので非常に小さく感じますがそれは違います。ちゃんと計算してみましょう、引き算だけでなく割り算もしてみましょうよ。

そもそも通貨ペアによって『1pips』の価値は全然違います。123円のユーロ円の1 pipsと5.6円のペソ円の1 pipsを同列に語るのは、100 m競争の1秒差とマラソンの1秒差を同列に語るのと一緒です。これが分からない人はそもそもFXをやる前に算数の勉強から始めないと。今だとペソ円の1pipsはユーロ円の約21倍の価値ですから、ペソ円のスプレッド0.3pipsはユーロ円の6.3pipsに相当します。ね?広いでしょ?

ペソと上手に付き合うための戦略

ペソさんと上手く付き合っていくための戦略は明快です。ボラタリティーが高い、スワポが高いというペソさんの個性を生かして

1) ボラの高さを利用して安く仕込み
2) 保有している間はスワポを貯め
3) ボラの高さを利用して高値で利確

とするのがほぼ必然でしょうね。当たり前のことしか言っていませんがちゃんとこれに沿って売買計画を立てて売買することが重要なので敢えて書きました。利益確定した後は1)に戻って次の仕込みチャンスを待つスタイルです。敢えて利確しないスタイルもありっちゃありですし、ハーフ&ハーフで半分だけ利確で半分はガチ保もありです。これはトレードスタイルですのでお好きに決めて下さい。当研究所ではしっかり利確することをお勧めします。

ただスワポが高いといってもボラタリティーが高いので、安く仕込まないと為替差損は発生しやすいです。スワポ狙いといってもスワポを過信しない方がいい。為替差益を積極的に狙わないと利益を出すのは難しいと思います。

スプレッドが広いのであまりリピート系には向きません。スプレッドの広いペソでリピート系をやるくらいならスプレッドの狭い米ドル円でやる方が理にかなっています。でも下手にスワポが高いという理由でペソでのリピート系を推すブログもあるんだよなぁ。リピート系はスワップポイントよりも稼げる為替差益を取り回転率を上げる方が圧倒的に利益が出ます。そんなブログ、ドル円よりも有利な理由は当然書いていませんね。

またメキシコペソのようにボラが高く長期保有するのが前提の通貨の場合『コスト平均法』は有効な買い建て手段ではありません。毎月コツコツっていうと一見堅実なように聞こえますが為替差損の酷いポジションが出てしまい却って利益は出ません、断言します。毎月資金を積み立てるのはいいことですが、だからと言って毎月コツコツ買う必要は全くないのです。それよりも安く仕込むのが鉄則。バーゲンセールの時にまとめ買いする方が大きく為替差益が取れるし後で紹介する逆襲戦に有利になります。ペソも洗剤やトイレットペーパーと一緒。安い時にしか買わないし買う時はまとめ買いしましょう。

セントラル短資FXだとスワポ15円/1万通貨・日ですが10pipsの為替損をスワポでリカバーするのに67日、2カ月ちょいかかる計算。焦って買いエントリーして大きな為替差損を抱え込むよりもできるだけ購入単価を抑えた買い方の方が優先します。大丈夫、ペソさん年に2~3回は暴落しますから結構下で買えるチャンスは多いんですよ(苦笑。ファンドじゃないんだから個人は『時間』を敵に回さないで下さい。個人にとって時間は最大の見方になります。待つも相場!だよ。

トレード計画を作る時に役立つのが安値高値シートになります。まず自分が考える今後1年程度でペソレートが取り得るBox幅の最大高値と最小安値を設定します。実はチャート分析ができるとこの最大高値、最小安値が決められるのです。Boxレンジの安値(支持線)をブレークすると次の抵抗線まで下落する可能性が高いのですが、その安値を損切りラインに設定することができるのです。チャート分析をしない場合は『期間高値』と『期間安値』を使って下さい。期間は1年から3年程度がお勧め。

最初に言っておきますと実際に僕が使っているものではないです。安値、高値は適当です。雰囲気だけ味わって下さい(苦笑。実際に使っているものの詳細は戦術編に書きます。

想定最安値をベース(0%)、想定最高値をトップ(100%)とし、その間を5%刻みで示したものになっています。もっと多段式で仕掛けたいなら刻みを小さくして下さい。買いはAsk値、売りはBid値ですのでその2つを併記します。運用先のFX会社のスプレッドを使って下さい。

このような表を使って仕込みポイント、利確ポイント、損切りポイントを前もって決めておくとよいのです。一番いけないのは何となくやっちゃうこと。冷静な時にあらゆる事態を想定して前もってルールを決めておくのがもの凄く重要になります。巨大地震が起きたらってシミュレーションしてませんか?同じですよ。ペソ姉さんが暴れ出したらこうしようってシミュレーションしておくのです。

スワポ狙いのトレーダーさんは今のレートでレバ何倍だと幾らの下落まで強制ロスカットされないから大丈夫って考えがちですがその考え方はお勧めしません。それって損切りしない前提ですよね?強制ロスカットされるまで座して死を待つのですか?為替相場の値動きは時としてあなたの想定を超えてきますよ?さらに資金効率が悪くなります。利益率が落ちます。

こういう考えがまかり通るのはチャートが読めないせいです。だから無駄にレバを低くする。それは戦略としては違います。平時と災害時を区別するんです。毎日防災頭巾やヘルメットを被って生活しませんし常に机の下に隠れて生活しませんよね。地震が起きた時にすればいいだけ。今メキシコペソが1ペソ4円台に突入することは考えられません。そうなるためには何か特別なネガティブイベントのきっかけがあるはず。チャートが読めれば巨大地震の発生初期に損切りしてさらなる下落に付き合わなくてよくなります。平時と災害時の見極めです。

ちゃんと損切りルールを作って下さい。その損切りラインをブレークしたら相場が崩れるっていうラインに設定できれば最高です。チャートを読む力がここに要求されます。損切りして終わり?それじゃあ損して終わりじゃんって?いえいえ、損切りした後は反撃するに決まってるじゃないですか。温存した資金で全力反転攻勢に出ます。反撃する余力を残すための損切り、攻撃型の損切りを提唱しているのです。

損切りの代わりに両建ての売りを仕掛けるのも同じ意味となりますので『有り』です。今は多くのFX会社は同Lotの両建てには追加の証拠金が発生しませんので(ちゃんと自分のFX会社のルールを調べてね)。ここでの戦術論では両建て戦術でなくシンプルな損切り戦術を解説します。

メキシコペソとの付き合い方(戦術編⓵:チャート分析)』へ続く